投稿バージョン  没バージョン


魔球キーパー投兵衛について
この作品の完成経緯を説明しますと
まず没バージョンを殆ど完成という所まで描いたところで
「匠の書」が漫画大学校銀賞を受賞しまして(マジでビビった)、担当さんがつく事になったので
16ページの作品のネームをFAXしたのですが、それが没を食らいまして
それなら…という事で 完成しつつある「投兵衛」をネームにしてFAXしたところ…
どうなったかは言うまでもないですね…しかしそこで指摘された欠点は非常に参考になるものでした

まず、このストーリー展開だと美代が主役になってしまっているんです
どうも冒頭で「主人公以外のモノローグ」というのは非常にややこしいらしいのです
島本和彦先生の燃えペンの同人誌「導入部でつかめ!」編に
作品には世界観の説明から入るものとキャラクターの説明から入るものがあるとあります
要するに特殊な世界が舞台なら、そこがどこかをハッキリさせないといけないと言う事です
その点僕の漫画は突飛なファンタジーじゃないので(そういうのも描きたいけど難しいんですよ、凄く)
安心しきっていたら「主人公が誰かを読者に教えてあげる」事が出来てないケースが多いんです

個人的にお気に入りの「リベンジランナー」なんか、周りが主人公を見てあれこれ説明するという
かなり悪質なケースでした…
「ストライガー」や「ヘビ使われ」もそんな感じですね
もし主人公が後から話に合流するパターンなら、冒頭で一度主人公を印象付けてから
別の地点でスタートするという事をしないと、読者があとで混乱すると…
そもそも投兵衛が自分の意思で動かず美代に引っ張られていってるし
悩みを吹き飛ばす理由がちょっと分かりにくかったり…
これだと読者が応援したくならないですね…

あとこれは個人的に気付いた事ですがこの漫画いらんキャラ出しすぎです
権御堂ダンやサッカー部のジジイはいなくても話に支障が出ないし
僕は主人公が特別扱いされてる話が嫌いで脇役も活躍する話が好きなんですが
読みきりってのは主人公が特別扱いされてナンボなんですよね
30ページちょいしか無い話で意味のない脇役を立てるぐらいなら、主人公を掘り下げる事が大事なんです
そういうわけで投稿バージョンは投兵衛の心境を多く描くことにしました

今まで読みきりマンガを描く参考にはマンガやアニメやヒーローものの第一話が
参考になると思ってたんですが、あくまで「第一話」であってその後も話はあるわけですから
あまり参考にしすぎてもいけないという事も今回学びました

そんな事もあって投稿バージョンに至るまで4回ほどネームを直したわけですが
それも「〆切まで時間がないから仕方なくOK」みたいな感じでした
事実原稿に取り掛かる頃には残り半月を切ってました
今までの執筆ペースが遅かったのもありますがこの時は
今までの5倍ぐらいの速度で描き上げないといけないという事態に陥りました
泣きましたよ…いや実際は泣いてませんけど(オイ)
この編の詳しい事はHPの絵日記にも書いてます(リアルタイムで)
とにかく今までと同じやり方ではダメだ!と下書きを最低限にしたりマッキーを多用したり
(冒頭で線のメリハリが少ないのはそのため)
ただ…そのせいでただでさえ下手な絵がさらに崩れてます
記憶では後半は結構マシになってたんですが、没バージョン見返したらこっちのほうが上手い…
〆切ギリギリまで粘ってせめて画面の密度だけでも増やせば良かったと後悔してます
(集中線もっと増やすとか)
実は〆切の一日前に終わったんでその時間も使えば出来たはずなんですが
終わった事が嬉しくてつい…
〆切に間に合わせるのがプロにとって一番大事ですが
ギリギリまで粘ってクオリティを上げるのも大事なんですね…
(吼えペンにそういう話があったなぁ…)
ただこの作品を描いて画力の伸びは感じました
「ウシノコくん」描いたときぐらい
(※あくまで自分の中での話ですけど)

このようにこの作品はいろんな事を僕に教えてくれました
でも思い入れはあまりありません
投兵衛ってキーパーなのに魔球で直接ゴールを狙うって設定が面白いんであって
キャラ自体はあんまり面白くないんですよね…
あとキャラがウジウジ悩む話にするとネームを直してる時自分までウジウジ悩むことも知りました(苦笑)
いや、悩むのも物語を面白くする重要な要素なんですけどね…
まあでもギャグの入れ方とか魔球の演出は結構気に入ってます 没バージョンの話ですが

登場人物紹介もうやめます、無理にやってた所ありましたし
未熟度★★★★苦労度★★★★★今後への参考★★★★★

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